癌は良くなるとイメージ(想像)すると良くなる、と言われても信じないだろう。
しかし癌の時にサイモントン療法は試してみる価値はある。
癌を悪化させる条件にストレスがあるが、改善させる条件もある。
今回はその条件を発見した心理療法のサイモントン療法を説明していこう。
サイモントン博士とサイモントン療法とは?
サイモントン療法という心のケアをする心理療法がある。
痛みが良くなる、薬などを使わなくても進行癌が改善する、余命が伸びたりしている実績がある。

サイモントン博士
アメリカのサイモントン博士(1942~2009)は元々、放射線治療を行う医師だった。
しかし彼が放射線治療を行うなかで、同じ場所の癌の同じ状況(病期)であっても良くなる人と良くならない人がいることを疑問に持ち、その違いはなんだろうと探し始めた。
そして結果として、治る人には「希望」と「信頼」が重要なキーワードとなっている事を発見した。
1972年から放射線療法に加えて心理療法を行うことを開始し、彼の最初の患者さんは劇的に改善した。
喉頭癌で飲み込みもうまくいかずに余命2ヶ月と宣告されていたにもかかわらずに放射線治療と心理療法を行い、4週間後には癌が消滅したそうだ。
その後も心理療法で多くの癌の人を改善、治癒させて来ている。
サイモントン博士は体の内側からの自然治癒力を高める方法を探して、瞑想やビジュアライゼーション(イメージ療法)、ポジティブ・シンキング(積極的思考)、東洋哲学、シャーマニズム、火渡り、シルバ・メソッドなどの数多くのアプローチを学んでそれを治療に取り入れた。
深呼吸、瞑想
まずは深呼吸や瞑想を練習することから始まる。
呼吸はとても大切で、呼吸だけで交感神経と副交感神経のバランスを整えたり崩したりすることができる。
深呼吸を数回繰り返すだけで副交感神経が活性化され落ち着きやすくなる。
逆に息をわざと荒くすると交感神経が活性化し眠い時には眠気が改善する。
イメージ療法
そしてイメージ療法だ。
以前は癌細胞を白血球がミサイルなどの道具で攻撃して破壊するという過激なイメージをしていたようだが、最近はもう少し穏やかになっているようだ。
癌は私たちの体のなかで毎日1000個から10000個はできているという話があるが、99.99%以上が癌にならないのは私たちの体の免疫力などが働いているからだ。
癌と言うと強くて怖いものを想像しがちだが、癌は弱いもので白血球という免疫の細胞がそれを小さくしてくれるとイメージすることで自然治癒力が活性化される。
健全な信念
「健全な信念」というものを作るために、紙に信念を書き出し不健全で現実的でない信念を排除し健全なものを受け入れる事を行う。
健全かどうかはまず次のモルツビーという人が考えた5つの質問を考える。
・その思考は明らかに事実に基づいているか?
・その思考は命や健康を守るのに役立つか?
・その思考は自分の大切な目標を達成するために必要か?
・その思考は問題や悩みを解決させるのに役立つか?
・その思考は好ましい気分をもたらすか?
これらの質問で3つ以上いいえであれば それは不健全な信念ということになる。
最初の明らかな事実とは、人の意見とは区別して考えるということだ。
ある医者が「あなたはあと半年の命です」と言ったとしてもそれは意見であり事実ではない。
同じような状況から平均して半年の命だということとだ。
半年より長く生きる人もいれば、長く生きる人もいる。
癌でも長生きする心の3つのポイント にもあるように、ファイティングスピリットを持つことで長生きしやすくなる。
癌が進行して5年間生きれる5年生存率が0%でも、実際に生きている人はいる。
意見に振り回されずに意見は意見として参考程度に聞き、事実に注目する。
命や健康に役立たない、目標を達成しない、悩みを解決しない、好ましい気分をもたらさないものはその考え方を変えましょうということだ。
変える時はリラックスして書き出したり、まわりの人にアドバイスを求めるのも有効だ。
アドバイスを求める時は否定的な意見ではなく、前向きな良いアドバイスをくれる人を選ぼう。
普段から気分を良くしない考え方が浮かべば上の質問に当てはまっているか確認しよう。
2年間の健康開発プラン
2年間の健康開発プランというもので、生きる目標や遊び、瞑想、栄養、援助、運動などを計画する。
精神的なサポートをするためのシステムも作る。
中心となる援助者(主に配偶者や子どもなど)、家族による援助システム、医療上の援助、セラピスト(心理カウンセラー)などとともに精神的なサポートシステムを作る。
死や再発について
興味深いのは死についてや再発についても取り組む。
ただ単に恐れるのではなく、人間はいつか死ぬことは確実なので、死生観についても教えている。
サイモントン療法から話はそれるが、癌でなくても前向きな姿勢が寿命を伸ばすような研究結果がある。
修道院の女尼を対象にした研究で、日記に前向きな事が書かれている人は、ほとんど書かれていない人に比べて約10年寿命が長く、病気もせずに90代になっても自立して健康で生きている人が多かったという統計がある。
サイモントン療法協会や認定の講師が日本各地でワークショップなどを開催している。
本だけでなく、サイモントン療法を第一人者の川畑のぶこさんから学ぶことができる音声がある。

サイモントン療法の第一人者、川畑のぶこさん
http://directlink.jp/tracking/af/1237235/CpX9Ejcx/
音声は通勤途中や買い物などへの電車や車の中で繰り返し聞けて便利だ。
癌だけでなくストレスの多い人、風邪のひきやすい人などにお勧め。