あなたやあなたの周りにも癌の人がいるだろう。
癌は1980年代に日本人の死亡する原因の1位になり、それから増え続けている。
今回はその癌の原因についてお伝えしよう。
結論から言うと癌の原因には避けられないもの(年齢、遺伝子など)、避けられるもの
(タバコ、化学物質など)がある。
そして原因とは別に癌を大きくするかしないかは体の中の環境が大事だ。
目次
1、癌の原因は何?
・1-1、癌の原因は2つに分けられる
・1-2、癌の原因で避けられないもの
・1-3、癌の原因で避けられるもの
2、癌の原因の中で避けられないもの
・2-1、細胞分裂ミス
・2-2、遺伝子の異常
・2-3、放射線、紫外線
3、癌の原因の中で避けられるもの
・3-1、タバコ
・3-2、放射線、紫外線
・3-3、ウイルスや寄生虫
・3-4、化学物質
・3-5、電磁波
4、癌の原因を考えるうえで大切な事
1、癌の原因は何?
癌が増えているが、癌は一日に5000~10000個も体の中でできているという。
というのも、私たちの体はいつも古いものを新しいものと入れ替えている。
たとえば、入れかわりが早いものは腸で数日~5日、皮膚は28~56日でいれかわり、
骨が90日で3~5%ずつ入れかわると言われている。
私たちの体、臓器は「細胞」というものからできている。
たえず入れかわるために細胞が増えなければいけない。
細胞を分裂させながら、古い細胞を捨てている。
新しい細胞を分裂して作っていかなければいかないのだが、その分裂する状況で
DNAと呼ばれる細胞の設計図に異常や傷があると癌ができてしまう。
直接DNAを異常にする原因もあれば、化学物質の代謝産物という変化した物質が
DNAを傷つける場合もある。
その原因について大きいものは以下の通りである。
1-1、癌の原因は2つに分けられる。
まずはじめに癌が大きくなる経過を説明しよう。
私たちの体は「細胞」というものからできている。
まず最初に1個の正常な細胞が異常な細胞、つまり癌になる。
この段階を専門用語で「イニシエーション(発生)」という。
1個の細胞だけでは10~30μm(ミクロンメートル、0.001 mm)だがそれが
分裂していって大きくなる。
この大きくなる段階を専門用語で「プロモーション(促進)」という。
1cmの癌細胞には約1億個の癌細胞が含まれているといわれている。
そして広がっていく段階を専門用語で「プログレッション(進行)」という。
癌が元の場所からリンパや血の流れに乗って広がっていくと進行癌とよばれる
ようになる。
例えるならば庭に雑草の種が風に飛ばされたり、人や動物などにくっついて
落ちた状態が発生、そこから増えていき庭のあちこちで見えるようになったら
増殖、庭を飛び出して車道や隣の家まで広がって行くのが進行である。
進行していくと、不調が出てきて、肺であれば呼吸の状態が悪くなったり肝臓で
あれば黄色くなる(黄疸)、脳であれば頭痛の原因やボーっとしてくるようになって
いく。
この中で、1個の癌細胞ができることをここでは「癌の原因」と呼び、大きくなることに
ついては「癌はなぜ大きくなるの?」で取り上げる。
癌の原因については避けられるものと避けられないものがある。
1-2、癌の原因で避けられないもの
後で詳しく見ていくが、避けられない原因として
・細胞分裂ミス
・遺伝子の異常
・放射線や紫外線
などがある。
1-3、癌の原因で避けられるもの
後で詳しく見ていくが、避けられる原因として
・タバコ
・放射線、紫外線
・ウイルスや寄生虫
・化学物質
・電磁波
などがある。
放射線や紫外線がここでも出てきているのは避けられる時と避けられ
ない時があるからである。
2、癌の原因の中で避けられないもの
癌の原因として避けられないものをみていこう。
2-1、細胞分裂ミス
体の入れ替わりはあなたが思っているよりも早い。
例えば赤血球という酸素などを全身に運ぶ細胞は毎日2000億~3000億個も
作られている。
腸や髪の毛は分裂の多い細胞だが、細胞が分裂する時に時々分裂ミスを起こす。
この時に遺伝子という細胞の設計図に異常があって、限りなく増えていくと癌と
呼ばれる。
1日に数千億個という数の細胞ができているので、ミスも時々起こる。
2-2、遺伝子の異常
遺伝子が原因の癌も最近は色々と知られている。
癌遺伝子として乳癌や大腸癌などが有名である。
遺伝子の異常でも癌はできやすいのは確かである。
しかし遺伝子は生活習慣でスイッチをオンにしたりオフにしたりすることが
できる。
詳しくは「癌の遺伝子があれば必ず癌になるのか?」で説明する。
2-3、放射線、紫外線
放射線というと原子力発電を一番に思い浮かべたかもしれない。
放射線や紫外線は宇宙から地球の表面にいつもふりそそいでいる。
この紫外線や放射線が細胞のDNAを傷つけて、癌の原因になる。
3、癌の原因の中で避けられるもの
癌の原因の中で避けられるものを見ていこう。
今回、世界保健機構WHOの世界癌研究機関IARCのmonograph100
を参考にして、下にまとめをのせた。
結果から言うと、避けられると書いたが、思ったよりも地球全体的に癌の
原因がたくさんありすぎている。
特に都市に近いところに住む限り、癌の原因に多くふれている。
3-1、タバコ
タバコは癌の原因の30%を占めるという報告もある。
(1981年の英国疫学者DollとPetoの発表)
これは食生活の35%に次に大きな癌の要因だ。
タバコは下の図のように鼻、口、のど、食道、胃、膵臓、大腸、肝細胞、
腎細胞、膀胱・尿路、子宮、卵巣、前立腺、骨髄性白血病、白血病の
原因となる。
(世界保健機構WHOの世界癌研究機関IARCのmonograph100Eより
http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol100E/mono100E.pdf)
タバコの煙による害が200ページ以上にわたって書かれている。
3-2、放射線、紫外線
放射線や紫外線も癌の原因となる。
直射日光を避けることや飛行機での海外旅行を減らすことで減らせる。
(世界保健機構WHOの世界癌研究機関IARCのmonograph100Dより
http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol100D/mono100D.pdf)
しかし日光は骨を丈夫に保つためのビタミンDに役に立つ。
紫外線の強くない場所や季節、時間帯を選んで20~30分の日光浴は体に
良い。
3-3、ウイルスや寄生虫
様々なウイルスや寄生虫が癌の原因となっている。
例えば肝炎ウイルスは肝臓の癌だけでなくリンパ腫にも関係している。
ピロリ菌は胃癌だけでなく食道、肝臓、膵臓、肺、子どもの白血病とも関係
している。
(世界保健機構WHOの世界癌研究機関IARCのmonograph100Bより
http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol100B/mono100B.pdf)
3-4、化学物質
様々な化学物質が癌の原因となる。
下の図にあるとおり、例えばアルコール。
アルコールには肝臓だけでなく口、のど、鼻、胃、膵臓、乳、子宮、卵巣、
腎蔵、膀胱、前立腺の癌の原因となる。
(世界保健機構WHOの世界癌研究機関IARCのmonograph100Eより
http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol100E/mono100E.pdf)
抗癌剤の多くが、その他の癌の原因となる。
女性ホルモンや免疫抑制剤も癌の原因となる。
(世界保健機構WHOの世界癌研究機関IARCのmonograph100Aより
http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol100A/mono100A.pdf)
ヒ素やニッケル、カドミウムという重金属も癌の原因となる。
革くずや木くずでも鼻や肺の癌の原因となる。
(世界保健機構WHOの世界癌研究機関IARCのmonograph100Cより
http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol100C/mono100C.pdf)
さらに染料やゴム、プラスチック容器に含まれる材料も癌の原因となる。
(世界保健機構WHOの世界癌研究機関IARCのmonograph100Eより
http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol100E/mono100E.pdf)
最近でもこの中でインクを扱う人の膀胱癌が新聞で取り上げられていた。
中には空気の中に入りこんだり、水や土の中に溶けて入っている成分もある。
それを野菜や肉などとして食べている可能性もある。
3-5、電磁波など
電磁波などで脳腫瘍、リンパ腫・白血病、悪性黒色腫、精巣癌の原因となる。
(世界保健機構WHOの世界癌研究機関IARCのmonograph102より
http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol102/mono102.pdf)
携帯電話、電気製品などが含まれる。
4、癌の原因を考えるうえで大切な事
癌の原因として避けられるものもあれば避けられないものもある。
現代で生活していく上で、発ガン物質が水や食べ物、空気、皮膚を通して
体に入っていくことはしかたがない部分がある。
発癌物質が体の中に入ってきても、癌になりやすい遺伝子があっても癌に
なるかどうかは体の中の環境に関係している。
その体内の環境についてはまた後日に詳しく説明する。