癌に対するゲルソン療法という、抗癌剤や放射線治療をせずに食べ物とサプリメントで癌を改善する自然療法と呼ばれる治療法がある。
日本で百人以上、アメリカでは数千人が医師に見放された進行癌や末期癌をこの方法で改善させている。
例えば日本では医師の星野仁彦先生は肝臓に転移を伴った大腸癌を、渡辺勇四郎先生は進行前立腺癌をこのゲルソン療法で改善させている。
今回はこのゲルソン療法について解説していこう。
ゲルソン博士の歩み

マックス・ゲルソン博士
もともとは1881年にドイツで生まれたゲルソン博士が医者になったあとに、頭痛に悩まされていたことがこの食事療法の始まりだった。
週に3回は頭痛で仕事が出来ないほどひどいものだった。
教授や有名な医者に相談しに行っても治らないと言われたゲルソン博士は、様々な文献を探した結果、食事で頭痛が改善させるという小さな文献を見つけた。
最初はあまり信用していなかったが、他に改善する方法がないのでその食事療法を試してみた。
食事を、塩を使わずに果物や野菜を食べていると頭痛は次第に改善してきた。
そしてその方法を同じく頑固な頭痛で悩んでいる人に指導し始めた。
食事療法を開始した人の中に頭痛だけでなく当時は不治の病であった皮膚の結核が改善する人が出てきた。
皮膚の結核が改善するのであれば肺の結核も改善するのではということで肺結核にも食事療法が行われ、当時は不治の病だった結核を90%以上の高い確率で改善させた。
さらに結核と癌を併せて患っていた人も改善させ始めた。
この頃に第二次世界大戦が起き、ユダヤ人であった博士は1938年にアメリカへ移住しアメリカで医療を始めた。
結核や癌を改善させる方法をさらに研究し始めたが、この評判を快く思わない西洋医学や製薬業などの人たちから妨害を受け始めた。
本の執筆原稿が無くなったりすることもあった。
結局、アメリカではゲルソン療法は正規の医療とみなされずに、今はゲルソン療法を行う病院はアメリカ・カリフォルニア州の隣のメキシコ・ティファナにあり、ゲルソン協会はアメリカ・カリフォルニア州のサン・ディエゴにあり活動している。

サンディエゴ国際空港でのお出迎え
そして日本へ
日本では今井光一という健康のジャーナリストがマックス・ゲルソン医師の書いたゲルソン療法の本を翻訳し、星野仁彦先生、渡邉勇四郎先生などが実際に自信で進行大腸癌や進行前立腺癌を改善させ、患者を指導している。
そのほかゲルソン協会から認定を受けている氏家京子さんという人がHSTという資格を持ち、自宅でのゲルソン療法の環境を整えてくれるお世話や調理方法を教えてくれる人がいる。
必要な物品は医聖会という会社で多く販売されている。
ゲルソン療法の特徴
ゲルソン療法は病気、特に癌の原因を「栄養の欠乏」と「毒」の2つを挙げている。
例えば栄養の欠乏は白米や加工食品などの三大栄養素以外の栄養の少ない食事を多く食べている場合。
毒は農薬や、最近では印刷業者が扱う化学薬品で胆嚢癌が労災認定される場合などが代表だ。
ゲルソン療法は「豊富な栄養補給」と「解毒」を目標に以下のことを行う。
①ジュースを1時間ごとに1日12杯:

ノーウォークジューサーでのニンジンジュース作り
ジュースは人参ジュース、葉物野菜のジュースなど。
ミネラルやビタミン、ファイトケミカル、酵素などの栄養を効率的に摂るためにジュースという形でとる。
ジューサーにはミネラルが豊富に絞れ、酵素などの栄養を損なわないノーウォーク・ジューサーが勧められている。
②食事は無農薬野菜・果物とオートミール、じゃがイモなど
野菜や果物の中には制限がある。
たとえばキュウリや、いちごやブルーベリーなどのベリー類、パイナップルなどは禁止されている。
主食は朝はオートミール、昼や夜はじゃが芋で、ほとんどは生野菜で、調理してスープにしたヒポクラテススープなども飲む。
③コーヒー浣腸
コーヒー浣腸を行うことで肝臓の機能を改善させ、解毒化を促す。
④そのほかのサプリメント
食事だけで補えないビタミンやCoQ10(補酵素Q10)などのサプリメントも同時に取るように言われている。
代謝を上げるようなものや体のバランスを整えるサプリなどが本人の持病に応じて加えられる。
このような方法で進行癌や末期癌を改善させている。
最後に
このゲルソン療法は癌だけに対する食事、自然療法ではない。
これらのジュースやコーヒー浣腸で栄養を補給して解毒を進めることで弱っている体の様々なシステム(免疫システム、ホルモンシステム、臓器システムなど)を改善させてその結果として癌が改善する。
なのでこの治療を行うと高血圧や糖尿病、頭痛、アレルギー、皮膚病などの様々な病気が改善していく。
食事に大きな制限があるが、抗癌剤を使いたくない人や進行癌で抗癌剤や放射線などを使ってもあまり長生きが見込めない場合にはお勧め。
私は2014年の5月にアメリカにあるゲルソン協会で医師向けの研修を行ってきた。
日本では2015年4月現在、3人しかこの研修を受けていない。

日本人と台湾人の参加者とともにゲルソン・インスティチュートの前で記念撮影
詳しい資料などは下の資料請求を。